私のモットー「太く短く、全力疾走」
寿命は自然が決めるものであり、私自身が決めるものではありません。だからこそ、小学5年生の頃から与えられた時間を有効に使うため、自ら目標を定め、全力疾走で物事に取り組んできました。
学生時代、サラリーマン時代、そして独立して経営者となってからも、この考えを大切にし、人様の二倍は働こうと努めてきました。当然、無理をすれば寿命は短くなると考えていたため
私のモットーは「太く短く、全力疾走」でした。
しかし、気がつけば84歳を迎え、現在もなお働き続けています。私自身の実感としては、働くことが必ずしも寿命を縮めるものではなく、むしろ人生を豊かにし、結果として寿命を延ばすことにもつながるのでないかと感じています。
学生の皆さんにも、限られた時間の中で多くのことに挑戦してほしいと願っています。
| 経歴 | |
| 1967年3月 | 関西学院大学大学院 理学研究科 修士課程 修了 |
| 1967年5月 | 日本テルペン化学株式会社 入社 |
| 1984年12月 | 同社 退社 |
| 1985年1月 | 神戸天然物化学株式会社を設立、代表取締役社長 就任 ※研究開発型企業としての発展を目指す |
| 1997年4月 | 筑波大学大学院 農学研究科 応用生物化学専攻 入学 ※学生兼社長 |
| 2003年12月 | 筑波大学大学院 農学研究科 応用生物化学専攻 修了 博士号(農学)取得 |
| 2005年~2008年 | 同大学院 客員講師として集中講義を担当 |
| 2018年3月 | 神戸天然物化学株式会社 東証マザーズ市場(現:グロース市場)に上場 ※当時、創業社長としては最年長 |
| 2018年6月 | 同社代表取締役社長を退任 |
| 2024年10月 | 一般財団法人KNC広瀬財団 設立 |
| 2025年9月 | 公益財団法人KNC広瀬財団として内閣総理大臣より公益財団法人の認定 |
化学分野での会社経営には多額の資金が必要です。私が会社を設立した1985年当時は、現在のようなベンチャーキャピタルの仕組みはまだ整っておらず行政(兵庫県や神戸市)がベンチャー育成のための貸付を行っている程度でした。こうした環境の中で当社は銀行からの融資だけで事業を進めてまいりましたが、それは私にとって大きな試練であり、常に挑戦と努力が求められました。
2018年には創業社長としては当時最年長で東証マザーズ市場(現:東証グロース市場)に上場いたしました。得られた資金をどのように社会へ還元すべきかを改めて考えたとき、科学技術の発展に寄与し、社会に少しでも恩返しをしたいという思いが強まりました。
そこで給付型奨学金の財団を立ち上げ、私が保有していた神戸天然物化学株式会社の株式70万株を本財団へ寄附し、その配当収入を事業の安定的な財源として活用できる体制を整えました。
人には限られた時間があります。その中で多くを学び、挑戦することは人生を支える大きな力になります。理系分野の研究者の育成には多くの資金と時間が必要であり、学生の皆さんの負担は決して小さくありません。そうした若い方々を支援したいとの思いから、この給付型奨学金制度を始めました。
学問は人生を豊かにする財産であると信じています。奨学金の給付にあたり返済は求めませんが、どうかしっかりと学び、人格を磨き、それぞれの分野で力を発揮され、充実した人生を歩まれることを心より願っております。
人生100年時代、私にもあと一仕事できる時間が与えられました。その時間を有意義に使っていきたいと思います。
| 2025年 吉日 公益財団法人KNC広瀬財団 理事長 農学博士 広瀬 克利 |
